人間だけじゃない?命の危機に関わる誤嚥のリスク
皆さん、こんにちは。
今回は誤嚥に関する雑学をご紹介します。
誤嚥とは?
誤嚥とは、飲食物や唾液、胃液などが本来気管に入ってはいけないところへ誤って入り込んでしまう現象を
指します。
通常、飲み込む動作では、気管と食道の入り口がしっかりと分けられていますが、この機能がうまく働かない場合、誤嚥が起こります。
誤嚥は高齢者や嚥下機能が低下した人だけでなく、健康な人でも時々発生することがあります。
一時的なむせこみなどで済む場合もあれば、重大な健康問題に繋がることもあります。
誤嚥の主な原因
誤嚥が発生する原因は様々です。
誤嚥が引き起こす健康問題
誤嚥が発生すると、次のような健康リスクがあります。
- 窒息
食べ物が完全に気管を塞いでしまうと、呼吸ができなくなり、窒息の危険性があります。
これには、迅速な応急処置が必要となります。
- 栄養状態の悪化
誤嚥のリスクを恐れて食事量を減らしてしまうことで、栄養不足に陥る場合があります。
特に高齢者では、体重減少や筋力低下に繋がることがあります。
誤嚥の予防方法
誤嚥の発生を防ぐには、以下のようなことを心掛けるとよいでしょう。
食事時の注意点
- 姿勢を正しく保つ
食事中は背筋を伸ばし、可能であれば90°に近い姿勢を保ちます。
- ゆっくり食べる
急いで食べると誤嚥のリスクが高まります。
一口ずつゆっくりと噛みながら食べることを心がけましょう。
- 適切な食品を選ぶ
嚥下機能が低下している場合、ペースト状や柔らかい食品を選ぶことが推奨されます。
また、トロミ剤を使用して飲み物の粘度を調整する方法も効果的です。
嚥下訓練
嚥下機能を向上させるための訓練やリハビリテーションがあります。
専門家の指導の下、嚥下運動や発声練習を行うことで、機能改善が期待できます。
口腔ケア
口腔内の衛生状態を保つことで、誤嚥性肺炎のリスクを軽減できます。
特に歯磨きや義歯の清掃を怠らないようにしましょう。
環境整備
静かで集中できる環境で食事を取ることで、誤嚥のリスクを減らすことができます。
また、適切な照明や食事のサポートも重要です。
緊急時の対処法
誤嚥による窒息が起きた場合、次の方法を試してください。
- 咳を促す
咳ができる場合、咳を続けることで異物を排出できる可能性があります。
- 背部叩打法(背中を叩く)
窒息が疑われる場合、肩甲骨の間を力強く叩くことで、異物を取り除く助けになります。
- ハイムリック法
胸と腹部を圧迫して異物を排出する方法です。
ただし、正しい手順で行う必要があり、可能であれば救急車を呼びつつ対応しましょう。
誤嚥と睡眠中の関係
睡眠中は、身体の筋肉がリラックスしているため、唾液や胃液が気管に流れ込むリスクが高まります。
特に以下のような状況では誤嚥の可能性が増します。
- 高齢者
嚥下反射が低下しているため、唾液や胃液が誤って気管に入ることがあります。
これが繰り返されると、誤嚥性肺炎の原因になります。
- 飲酒後
アルコールの摂取による筋弛緩効果で、喉の防御機能が低下します。
就寝前の飲酒には注意が必要です。
予防方法
- 横向きで寝る:仰向けよりも横向きのほうが誤嚥リスクを軽減します。
- 就寝前の飲食を控える:寝る前2時間は飲食を避け、胃の内容物が逆流しないようにします。
- 枕を高くする:頭を少し高くすると、胃液の逆流を抑えることができます。
赤ちゃんの誤嚥リスク
赤ちゃんは嚥下機能が未熟であり、気道と食道を適切に分ける能力が発達していません。
そのため、以下の場面で誤嚥が起こることがあります。
- 授乳中
ミルクや母乳が気管に入りやすく、むせることがあります。
特に寝かせた状態で授乳するとリスクが高まります。
- 離乳食の開始
固形物を食べる際、飲み込む力が未発達で誤嚥しやすいです。
予防方法
- 頭を少し起こした状態で授乳する。
- 離乳食はペースト状から始め、少しずつ固さを調整する。
- 食事中は赤ちゃんをしっかり観察し、急いで食べさせない。
誤嚥のサイン
- 急な咳やむせ。
- 呼吸音が異常に聞こえる(ゼーゼー音)。
- 唇や顔色が青白くなる場合は緊急対応が必要です。
動物の誤嚥リスク
人間と同様、動物も誤嚥を起こします。特にペットの食事時には以下の点に注意が必要です。
誤嚥しやすい場面
- 急いで食べるとき。
- 固すぎる、または大きすぎる食べ物を与えたとき。
- 年齢や健康状態に応じて適切でない食事を与えたとき。
影響を受けやすい動物
- 犬:特に大型犬は急いで食べがちなため、誤嚥リスクが高いです。
- 猫:呼吸器系が敏感で、適切でないフードが喉に詰まることがあります。
予防方法
- 食べ物のサイズを適切に調整する(小さく切る)。
- ペット専用のゆっくり食べるための食器を使用する。
- 食事中は落ち着いた環境を整える。
誤嚥のサイン
- 持続的な咳やむせ。
- 呼吸困難や苦しそうな様子。
- 食べ物を吐き出そうとする仕草。
動物が誤嚥を起こした場合、症状が続くようならすぐに獣医師に相談することが大切です。
おわりに
誤嚥は身近な現象でありながら、放置すると深刻な健康問題に繋がる可能性があります。
特に高齢者や嚥下機能が低下した人には注意が必要です。
しかし、正しい知識と予防策を実践することで、そのリスクを大きく減らすことができます。
誤嚥を防ぎ、安心して食事を楽しむために、日常生活における工夫や専門的なサポートを積極的に活用して
いきましょう。
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以上となります。お読み頂きありがとうございました。
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