皆さん、こんにちは。
今回は悪性リンパ腫に関する雑学をご紹介します。
悪性リンパ腫は、血液のガンの一種で、リンパ系の細胞(リンパ球)が異常に増殖する病気です。
日本では年間約3万人が発症するとされており、比較的まれな病気ですが、近年患者数が増加傾向にあります。
この記事では、悪性リンパ腫の種類、症状、原因、治療法について詳しく解説します。
悪性リンパ腫とは?
リンパ系は、体の免疫機能を担う重要なシステムです。
リンパ節や脾臓、骨髄などに存在し、体をウイルスや細菌から守る役割を果たします。
しかし、このリンパ系細胞(リンパ球)が異常増殖し、腫瘍(ガン)を形成すると、悪性リンパ腫となって
しまいます。
悪性リンパ腫は大きく2つのタイプに分けられます。
- ホジキンリンパ腫(HL)
比較的稀で、若年層(20~30代)に多いです。
リード・シュテルンベルグ細胞という特徴的な細胞が確認されています。
比較的治療の反応が良く、完治する可能性が高いです。
- 非ホジキンリンパ腫(NHL)
日本人の悪性リンパ腫の約90%を占めています。
高齢者に多く、様々な種類(B細胞性・T細胞性など)があります。
進行が遅いタイプ(低悪性度)と、進行が速いタイプ(高悪性度)があります。
悪性リンパ腫の主な症状
悪性リンパ腫の症状は、リンパ節の腫れが最も一般的ですが、その他にも以下のような症状が現れることが
あります。
- 無痛性の首、脇の下、鼠径部などのリンパ節の腫脹
- 原因不明の38℃以上の発熱
- 寝ている時の大量の発汗
- 半年で体重の10%以上もの急激な体重減少
- 倦怠感・疲れやすい
- 皮膚のかゆみ
リンパ節の腫れがあっても、痛みがないことが多いため、風邪や他の病気と間違えられやすいのが特徴です。
悪性リンパ腫の原因とは?
悪性リンパ腫の明確な原因は、完全には解明されていませんが、以下の要因が関与すると考えられています。
- ウイルス感染:EBウイルス、HTLV-1などです。
- 遺伝的要因:家族に同じ病気の人がいる場合、リスクがやや上昇します。
- 放射線や化学物質の影響:農薬、ベンゼン、抗ガン剤などです。
- 自己免疫疾患の影響:関節リウマチ、シェーグレン症候群などです。
特にEBウイルス(エプスタイン・バールウイルス)は一部の悪性リンパ腫と関連があるとされています。
悪性リンパ腫の診断方法
悪性リンパ腫は、以下の検査によって診断されます。
- 血液検査:炎症や腫瘍マーカーの確認をします。
- リンパ節生検:腫れているリンパ節の一部を採取し、顕微鏡で検査します。
- 画像検査(CT、PET-CT、MRIなど):腫瘍の広がりを確認します。
- 骨髄検査:骨髄への浸潤があるかを確認します。
これらの検査を元に病期(ステージ)を決定し、治療方針を決めます。
悪性リンパ腫の治療方法と予後
悪性リンパ腫の治療は、リンパ腫の種類や進行度によって異なります。
- 免疫療法(抗体治療)
リツキシマブ(R-CHOP療法)などの分子標的治療薬が使用されます。
特にB細胞性リンパ腫に有効です。
- 造血幹細胞移植
再発した場合や、悪性度が高い場合に行われます。
自家移植(自分の細胞を使用) or 同種移植(他人の細胞を使用)を行います。
悪性リンパ腫の生存率と予後
悪性リンパ腫の5年生存率は約60~90%とされていますが、種類や進行度によって大きく異なります。
- ホジキンリンパ腫(HL):90%以上が治癒可能です。
- 低悪性度の非ホジキンリンパ腫(NHL):ゆっくり進行しますが、完治が難しいです。
- 高悪性度の非ホジキンリンパ腫(NHL):進行が速いですが、適切な治療で治癒可能です。
治療技術の進歩により、生存率は年々向上しています。早期発見・早期治療が重要です。
おわりに
悪性リンパ腫は、早期発見と適切な治療によって高い治癒率が期待できる病気です。
リンパ節の腫れや原因不明の発熱、寝汗、体重減少などの症状が続く場合は、医療機関を受診しましょう。
正しい知識を持ち、健康を守ることが大切です。
あなたや大切な人が、もしもの時に適切な判断ができるよう、本記事が役立てば幸いです。
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以上となります。お読み頂きありがとうございました。
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