シンプルな見た目と味わいの軍用食として始まったお菓子
皆さん、こんにちは!
今回はクラッカーに関する雑学をご紹介します!
シンプルな見た目ながら、様々な料理と相性抜群のクラッカー。
実はその歴史は長く、軍用食や非常食としての役割も果たしてきました。
また、あの小さな穴には大事な理由があることをご存知でしょうか?
クラッカーの知られざる魅力を探ってみましょう。
クラッカーの発祥と歴史
クラッカーのルーツは、18世紀のアメリカにまでさかのぼります。
1792年にアメリカのパン職人ジョサイア・ベントが、長期保存できる焼き菓子を開発しました。
彼は「水と小麦粉だけで作るシンプルな焼き菓子」を考案し、これが現代のクラッカーの原型となりました。
焼いたときに「パリッ」と音がすることから「クラッカー(Cracker)」と名付けられたとされます。
クラッカーの発展と普及
19世紀、アメリカ軍では保存食として「ハードタック(軍用クラッカー)」が使われました。
このクラッカーは、水と小麦粉のみで作られており、非常に硬く、数十年の保存が可能でした。
1876年には「ナビスコ(Nabisco)」が創業し、現代的なクラッカーを生産し始めました。
その後、バターや塩を加えたリッツ・クラッカーなどが誕生したことで、家庭用のおやつや軽食として人気となりました。
日本では、戦後にクラッカーが本格的に広まり、現在はスナックや非常食として定着しました。
クラッカーの作り方
クラッカーは、基本的に以下の材料で作られます。
材料
- 小麦粉(薄力粉や強力粉)
- 水
- 塩
- バターまたはオイル(オリーブオイルなど)
- ベーキングパウダー(膨らみを出す場合)
作り方
- 材料を混ぜる
ボウルに小麦粉・塩・オイル・水を入れ、よくこねます。 - 生地を伸ばす
薄く伸ばし(2〜3mm)、フォークで穴を開けます(焼いたときに膨らまないようにするため)。 - オーブンで焼く
180℃のオーブンで約15〜20分焼きます。 - 完成
しっかり冷ましたら、パリッとしたクラッカーのできあがりです。
アレンジ
- チーズクラッカー:粉チーズを加える
- 全粒粉クラッカー:全粒粉を使い、食物繊維をアップ
- 甘いクラッカー:はちみつや砂糖を加える
クラッカーの栄養価
クラッカーには、以下の栄養価が含まれています。(プレーンクラッカー100gあたり)
- エネルギー:約450kcal
- 炭水化物:約65g
- タンパク質:約8g
- 脂質:約15g
- 食物繊維:約3g
- ナトリウム:約500mg
クラッカーの健康効果
クラッカーには、以下のような健康効果が期待できます。
- 消化に優しい
シンプルな材料なので、胃腸に負担が少なく、体調が悪いときにも食べやすいです。
離乳食や介護食としても活用されています。
- エネルギー補給に最適
炭水化物が豊富なので、登山や非常食、災害時の備蓄にも向いています。
- 血糖値が急上昇しにくい(全粒粉クラッカーの場合)
全粒粉や低GI(血糖値の上昇が緩やか)タイプのクラッカーは、糖質の吸収が穏やかで、健康志向の人にオススメです。
- 軽食やおやつに使いやすい
チーズやナッツ、ヨーグルトなどと組み合わせると、タンパク質やカルシウムを補えます。
クラッカーはカロリーが高めなので、食べすぎには注意しましょう。
世界一大きなクラッカー
2013年、中国の食品会社が「世界最大のクラッカー」を作り、ギネス世界記録に認定されました。
世界最大のクラッカーの長さは約12m、幅は数m、重量は数百kgにも及びました。
このクラッカーは、食品会社のPRイベントを目的として作られました。
この巨大クラッカーは、通常のクラッカーと同じように小麦粉、バター、塩を使って作られましたが、焼く
ために特別な大型オーブンを使用したそうです。
イベントでは、多くの人が集まり、実際にクラッカーを試食する様子が報道されました。
リッツ・クラッカーの穴の秘密
クラッカーには、小さな穴がいくつか開いているのを見たことがありますよね?
これは単なるデザインではなく、重要な役割があります。
小さな穴を開けているのには、以下の理由があります。
- 生地の膨張を防ぐ:焼くときに生地が膨らむのを防ぎ、均一な形にします。
- サクサク食感を保つ:空気や蒸気を逃がして、適度に硬いクラッカーに仕上げます。
- 焼きムラを防ぐ:中央が盛り上がらず、均一に焼けるようにします。
穴はすべてのクラッカーに同じように並んでいるわけではなく、ブランドごとに独自のデザインがあります。
例えば、リッツ・クラッカーには7つの穴が開いています。
この穴の数や配置は、焼き加減や食感に影響を与えるため、企業ごとに微調整されています。
家庭でクラッカーを作るときに穴を開けないと、焼いたときにプクッと膨れてしまい、ボコボコの形になってしまいます。
逆に穴を開けすぎると、パリパリになりすぎてしまいます。
非常食としてのクラッカー
クラッカーは軍隊や探検隊の必需品として活用されてきました。
特に「ハードタック」と呼ばれるクラッカーは、100年以上も保存できると言われています。
ハードタックの特徴
- 材料:小麦粉・水・塩のみ
- 保存期間:数十年〜100年以上
- 食感:非常に硬く、そのままでは食べにくいです。
- 食べ方:水やスープに浸して食べます。
実際に保存されているハードタック
- 南極探検隊のハードタック(19世紀)
1800年代、南極探検をしたロバート・スコット隊の携帯食だったハードタックが、現代でも博物館に展示されています。
長期保存が可能で、過酷な環境でも食べられるため、極地探検の必需品でした。
- アメリカ南北戦争時代のハードタック
戦場で配給されたハードタックは、今でも一部の博物館に現存しています。
一部の歴史愛好家は、100年以上前のハードタックを実際に食べることに挑戦しているが、食べるには相当な勇気が必要です。
- 現代の非常食クラッカー
日本では「乾パン」が非常食として有名です(ハードタックの仲間)。
災害時には、クラッカーと一緒に水分をとることが推奨されています。
「クラッカー」の違い
「クラッカー(Cracker)」という単語には、食べ物以外にもパーティーやお祝いの時に使うアイテムである、爆竹や紙吹雪が飛び出す道具の意味もあります。
英語では「Christmas Cracker(クリスマスクラッカー)」と呼ばれることが多いです。
「Crack」には「パリッと割れる」「弾ける音」という意味があります。
食べるクラッカーもお祝いのクラッカーも「パリッ」「パーン」という音が共通しているため、同じ単語が
使われるようになりました。
おわりに
クラッカーはシンプルながらも、歴史や製法に多くの工夫が詰まった食品です。
普段は何気なく口にしているかもしれませんが、その背景を知ることで、より楽しみながら味わうことが
できるでしょう。
次にクラッカーを手に取るときは、ぜひその奥深い歴史や、工夫された作りにも注目してみてください。
ちょっとした知識が、食の楽しみをさらに広げてくれるはずです。
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以上となります!お読み頂きありがとうございました!
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