AIとの対決から生まれたタイトル戦
皆さん、こんにちは!
今回は叡王戦に関する雑学をご紹介します!
将棋のタイトル戦といえば、名人戦や竜王戦を思い浮かべる方が多いかもしれません。
そんな中、比較的新しいタイトル戦として注目を集めているのが叡王戦(えいおうせん)です。
今回は、叡王戦の成り立ちや特徴、注目ポイントなどを分かりやすくご紹介します。
🏆 叡王戦とは?
叡王戦は、株式会社ドワンゴが主催し、日本将棋連盟が後援する将棋の公式タイトル戦です。
元々は2015年に非公式戦としてスタートしましたが、2017年から正式なタイトル戦となりました。
現在、八大タイトル(竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖・叡王)の1つとして数えられています。
🔎 叡王戦の特徴
叡王戦には、他のタイトル戦とは異なるいくつかのユニークな特徴があります。
- インターネットを活用した大会運営
叡王戦はドワンゴが運営していることもあり、ニコニコ生放送での対局中継が充実しており、視聴者と共に将棋を楽しむ仕組みが整っています。
コメント機能やアンケートなど、双方向型の中継は他の棋戦とは一線を画します。
- タイトル挑戦までの過程が複雑でユニーク
当初の形式では、段位別予選トーナメントを勝ち抜いた棋士たちが本戦に進出します。
さらに決勝トーナメントを経て、前年の叡王との五番勝負が行われていました。
現在はシステムが簡略化されていますが、若手棋士が頭角を現すチャンスとして注目されています。
- タイトル戦にしては比較的短期間
タイトル戦の中では、五番勝負で行われる点も特徴の一つです。
これにより、対局期間が短く、テンポよく進むため、ファンにとっても追いやすい棋戦となっています。
👀 歴代叡王と見どころ
叡王戦は誕生してまだ日が浅いため、歴代タイトル保持者の顔ぶれにもフレッシュな印象があります。
初代叡王は高見泰地 七段(2018年)でした。
その後、永瀬拓矢叡王が長くタイトルを保持していましたが、藤井聡太叡王の登場によって、さらに注目度がアップしました。
藤井聡太が保持したことにより、若い世代にも叡王戦の存在が強く認識されるようになり、更なる盛り上がりを見せています。
📝「叡王」の名前に込められた意味
将棋のタイトル「叡王(えいおう)」という名前には、「叡智(えいち)の王=最も優れた知性を持つ者」という意味が込められています。
「叡」という漢字は、「深い知識・知恵・賢さ」を表し、古くは天皇の知恵や聖なる知性を意味する言葉でもありました。
「王」はもちろん王者、つまりその分野の頂点に立つ者を示します。
つまり「叡王」は、「将棋という知的な競技において、最も深い知恵と読みを持つ者=知の王者」として相応しいタイトル名なのです。
これは将棋ファンだけでなく、知的競技としての将棋の本質を端的に表すネーミングと言えるでしょう。
💻 叡王戦と電王戦の関係
叡王戦の誕生には、「電王戦」という、人間のプロ棋士とコンピュータ将棋ソフトの対局企画が深く関わっています。
電王戦は、株式会社ドワンゴと日本将棋連盟が共同主催した、2012年から2017年まで開催された将棋の特別対局シリーズです。
最大の特徴は、プロ棋士と将棋ソフト(AI)による真剣勝負であったことです。
初期の電王戦では、まだAIの実力が発展途上だったこともあり、プロ棋士側が勝利を収めることも多く見られました。
しかし、回を重ねるごとにAIの進化は著しく、やがてプロ棋士を圧倒するようになります。
特に2013年以降は、将棋ソフトが次々とプロ棋士に勝利し、人間の知能と機械の知能の境界線が大きく揺れ動いた時期でもありました。
電王戦は、単なる対局イベントに留まらず、人工知能の進化や人間との共存可能性を考える象徴的な舞台でもありました。
2017年をもって幕を閉じた電王戦は、将棋界とAI研究の双方に深い影響を残した歴史的イベントとして、今も語り継がれています。
🚼 電王戦の影響と叡王戦の誕生
電王戦が大きな話題を呼ぶ中で、将棋ソフトとの対局だけでなく、「純粋に人間同士の頂上決戦を見たい」という声も増えていきました。
また、ドワンゴ側も将棋界への貢献を継続したいという意向がありました。
そこで、電王戦の後継企画として2015年に誕生したのが叡王戦です。
最初は非公式戦として開催されていましたが、2017年度からは正式な八大タイトル戦として昇格しました。
つまり、叡王戦は電王戦という時代を象徴する対局イベントがきっかけで生まれた「人間の叡智を競う新時代のタイトル戦」なのです。
おわりに
叡王戦は、将棋界における新しい風と言っても過言ではありません。
インターネットを活用した中継や若手棋士の登場の場、テンポの良い五番勝負など従来のタイトル戦にはない魅力が詰まっています。
これから将棋に興味を持ち始めた方にとって親しみやすい棋戦ですので、ぜひとも今後の対局に注目してみてください!
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以上となります!お読み頂きありがとうございました!
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