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揚水発電に関する雑学!

🌊 水を汲んで電気を貯める発電方法 ⚡

皆さん、こんにちは!

今回は揚水発電に関する雑学をご紹介します!

私たちの暮らしを支える電気。

その貯金箱のような役割を果たす技術が「揚水発電(ようすいはつでん)」です。

あまり知られていないかもしれませんが、実は日本の電力供給の安定化に欠かせない存在となっています。

今回は、揚水発電の基本原理から、日本国内での活用、今後の可能性までを分かりやすく解説します。

 

🌊 揚水発電とは?

揚水発電とは、電気を使い水を高い場所に汲み上げ、必要な時に水を落として再び発電するという、まるで「水のバッテリー」のような発電方式です。

この仕組みの流れは以下の通りです。

  1. 余剰電力で水をくみ上げる(夜間など)

  2. 電気が余っているとき、下のダムから上のダムへ水をポンプで揚げる

  3. 電力需要が高い時間帯に発電

  4. 電気が必要なとき、上のダムから下のダムへ水を落とし、水車を回して発電

このサイクルを繰り返すことで、電力の需給バランスを柔軟に調整できます。

 

🔎 なぜ揚水発電が必要なのか?

現代の電力供給では、発電量と使用量をリアルタイムで一致させることが重要です。

しかし、自然エネルギーの拡大や急激な需要変動により、そのバランスは不安定になりつつあります。

そこで活躍するのが揚水発電です。

  • 昼夜間の電力シフト:夜間の余剰電力をためて、昼のピークに供給

  • 再生可能エネルギーの変動吸収:風力や太陽光の不安定さを補う

  • 非常時のバックアップ:停電時の即時立ち上げが可能(ブラックスタート)

 

揚水発電のメリット

揚水発電には、以下のようなメリットがあります。

  • 電力の安定供給に貢献
    揚水発電は、電力の需給バランスを取るために非常に有効です。
    特に電力使用が少ない夜間に水を汲み上げ、昼のピーク時に発電することで、電力のピークシフトが可能になります。

 

  • 再生可能エネルギーとの相性が良い
    太陽光や風力などの自然エネルギーは出力が不安定ですが、揚水発電を使えば、余剰分を一時的に貯めることが可能です。
    出力が少ない時間帯に発電することで、再エネの導入拡大を後押しします

 

  • 発電の即応性が高い
    揚水発電は短時間で起動可能なため、突発的な需要増加やトラブル時に即座に電力を供給できます
    「ブラックスタート」(停電後の再起動)も可能な点で、非常に信頼性が高いです。

 

  • 二酸化炭素排出がない
    揚水発電自体は燃料を燃やさないため、CO₂を排出しません
    環境負荷の低いクリーンな電源として、脱炭素社会に貢献できます。

 

揚水発電のデメリット

一方で、揚水発電には以下のようなデメリットも存在します。

  • 初期コストが高い
    揚水発電所の建設には、数千億円単位の巨額な費用がかかります
    発電所の建設には地形調査・環境調査・インフラ整備など、長期間かつ大規模なプロジェクトが必要となります。

 

  • 適地が限られる
    揚水発電には上池と下池の両方が必要なため、地形的に適した場所が少ないのが現実です
    日本では多くの好適地がすでに開発済みで、今後の新設には課題があります。

 

  • エネルギー損失がある
    汲み上げと発電のプロセスには20〜30%程度のエネルギーロスが伴います
    あくまで蓄電の手段であり、エネルギーそのものを生み出すわけではありません。

 

  • 環境への影響
    自然環境を大規模に改変する必要があるため、生態系への影響や景観破壊といった懸念も存在します
    特に新規開発では、地元住民との調整が不可欠です。

 

🎌 日本における揚水発電の実態

日本は地形的に山が多く、ダムを利用しやすいため、揚水発電の適地が豊富に存在します。

そのため、実は日本は世界でも有数の揚水発電大国の一つです。

主な揚水発電所は以下の通りです。

  • 奥只見電力所(新潟・福島):日本最大級の出力を誇る揚水式発電所です

  • 矢木沢発電所(群馬):首都圏の電力需要を補う重要拠点です。

  • 神流川発電所(長野・群馬):最大出力2,820MW、日本でトップクラスの揚水発電施設です。

これらの施設では、数百万世帯分の電力を数時間単位で供給する能力を持ち、電力需給の調整に大きな役割を果たしています。

 

揚水発電再生可能エネルギーの相性

風力や太陽光などの自然エネルギーは、時間や天候によって出力が変動します。

これらを有効に活用するには、「貯めておく仕組み=蓄電技術」が必要です。

そこで、大規模かつ安定して電気を貯めることができる揚水発電は、再エネ導入拡大のカギを握っています。

今後は、以下のような形での連携が期待されています。

  • 太陽光が余る昼間 → 揚水で水を貯める

  • 夜間や曇天時 → 揚水で発電して補う

 

⚠️ 将来の可能性と課題

日本では脱炭素化・再エネ比率の増加が進む中で、揚水発電の価値はますます高まっています。

しかし、様々な課題もあります。

  • 巨額の初期投資(数千億円規模)

  • 適地の減少(すでに開発済み)

  • 環境保護とのバランス

一方、近年では海水を使った揚水発電や既存ダムの転用といった新しいアプローチも登場しており、技術革新が期待されます。

 

おわりに

揚水発電は目立たない存在ですが、私たちが何気なく使っている電気を裏で支えてくれている重要なインフラです。

電力の安定供給、脱炭素化、災害時のレジリエンス──。

すべての課題に対して静かに、そして確実に貢献してくれる存在です。

これからのエネルギー社会を考える上で、揚水発電という縁の下の力持ちにもぜひ注目してみてください。

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以上となります!お読み頂きありがとうございました!

こんな雑学が知りたい!などリクエストがありましたら、是非コメント欄にお寄せください!