永遠の化学物質

皆さん、こんにちは!
今回はPFASに関する雑学をご紹介します!
日常生活に欠かせない防水・防汚製品。しかし、それらに使われてきたある物質が、今世界中で問題視されています。
その名もPFAS(ピーファス)。
聞き慣れない名前かもしれませんが、私たちの飲み水や空気、さらには血液の中にも存在していると言われています。
今回は、PFASとは何か、その性質や健康への影響、国際的な規制の動きについて分かりやすく解説します。
🔬 PFASとは?
PFASとは、「ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(Per- and Polyfluoroalkyl Substances)」の略称です。
およそ4,000種類以上の化学物質の総称で、「有機フッ素化合物」とも呼ばれます。
PFASの主な特徴は、以下の通りです。
- 水や油を弾く(撥水・撥油性)
- 熱や薬品に強く、分解されにくい(=環境中に残留しやすい)
- 加工性が高く、様々な製品に応用可能
その便利さから、PFASは1950年代以降、世界中で幅広く使用されてきました。
🏠 PFASはどこに使われている?
PFASは私たちの身近な製品に多数使われてきました。
- 撥水・防汚:アウトドアウェア、レインコート、ソファ、カーペット
- ノンスティック加工:フライパンなどの調理器具(テフロン加工など)
- 消火剤:消火フォーム(特に空港・軍事施設で使用)
- 食品包装:ファーストフードの紙容器、ピザの箱、ポップコーン袋
- 工業用途:半導体製造、メッキ処理、表面コーティングなど
⚠️ PFASの何が問題なのか?
PFASには、以下のように様々な問題があります。
- 環境中に残り続ける
PFASは非常に分解されにくく、自然界で長期間残留します。
この性質から、「フォーエバーケミカル(永遠の化学物質)」と呼ばれることもあります。
- 人体に蓄積する
PFASは、水や食物、空気を通じて体内に取り込まれ、長期間に渡って体内に留まります。
尿などで排出されにくく、ほとんどの人の血液からPFASが検出されるとも言われています。
- 健康への影響(疑い)
科学的研究により、PFASは以下のような健康リスクとの関連が指摘されています。
☠️ 発がん性(特に腎臓がん、精巣がんなど)
🍺 肝機能の異常
😷 免疫力の低下(ワクチンの効果が下がるとの報告も)
🤰 妊娠中の発育障害、出生体重の低下
🫃 コレステロール値の上昇
※ただし、すべてのPFASが有害というわけではなく、影響の大きさや確実性にはバラツキがあります。
🌎 PFAS規制の動きと国際的対応
世界中でPFASに対する規制が進んでいます。
- 欧米諸国
アメリカでは、PFOS(ピーフォス)やPFOA(ピーフォア)などの主要PFASに対して飲料水中の基準値が定められ、各州で除去作業が進められています。
EUでは、2023年にPFASの大規模な一括規制案が提案され、段階的な使用制限が始まっています。
- 日本
日本でもPFOSとPFOAに対して、環境基準(暫定目標値:50ng/L)が設定され、水道水や地下水の監視が強化されています。
一部自治体では、井戸水から高濃度のPFASが検出され、住民への健康調査や給水対策が行われています。
💡 私たちにできることは?
完全に避けるのは難しいですが、PFASの摂取や影響を減らすために、次のような対策が有効です。
- 意識して選ぶ・使う
🛒 PFASフリー表示のある製品(調理器具・衣類など)を選ぶ
👀 防汚・撥水加工製品の使用頻度を見直す
✅ 食品包装材の選択に気をつける
おわりに
PFASは、私たちの暮らしを便利にした一方、長期的な環境汚染や健康への懸念を生んでしまった「便利すぎた化学物質」とも言えるかもしれません。
これからの時代、使い捨ての便利さよりも持続可能な安全性を選ぶ視点がより大切になってくるでしょう。
身の回りの製品にちょっと目を向けて、PFASとの付き合い方を考えてみませんか?
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以上となります!お読み頂きありがとうございました!
こんな雑学が知りたい!などリクエストがありましたら、是非コメント欄にお寄せください!